SWIG を使ってみよう! [第1回] Perl 編 ― 2008年09月04日 01時32分21秒
SWIG を使って libnmz の様々な言語用のバインディングを作成してみましょう。
最初は UNIX 環境で libnmz の nmz_get_version を呼び出すことを考えます。
nmz_get_version は、namazu/libnamazu.h に定義されています。
extern char *nmz_get_version();
この関数は libnmz の Namazu のバージョンを文字列で返す関数です。 (Namazu 2.0.13 以降利用可能です。libnmz のバージョンを返すわけではありません。)
今回はこれを Perl から呼び出す Perl バインディングを作成してみましょう。 (libnmz の Perl バインディングとしては Search-Namazu がありますが、 現在の Search-Namazu は nmz_get_version に対応していません。)
モジュール名を決めます。ここでは Sample というモジュール名にします。 SWIG 用インターフェイスファイルを Sample.i という名前で作成します。
%module Sample %{ #include "namazu/libnamazu.h" %} char *nmz_get_version();
swig コマンドを使ってラッパ用コードを生成します。
$ swig -perl5 Sample.i
実行すると Sample_wrap.c が生成されます。
次に Perl 用モジュールを作成するために Makefile.PL を用意します。
use ExtUtils::MakeMaker; WriteMakefile( 'NAME' => 'Sample', 'INC' => '-I/usr/local/include', 'LIBS' => '-L/usr/local/lib -lnmz', 'OBJECT' => 'Sample_wrap.o' );
Makefile.PL から Makefile を作成します。 (Namazu を /usr/local にインストールした場合)
$ perl Makefile.PL
make を実行します。
$ make
Sample モジュール(Perl バインディング)が作成されました。
インストールして使うこともできますが、ここではカレントディレクトリにリンクして使ってみましょう。
$ ln -s blib/arch/auto/Sample/Sample.so .
Sample モジュールを呼び出す Perl プログラム main.pl を作成します。
#!/usr/bin/perl use Sample; print Sample::nmz_get_version() . "\n";
このプログラムは nmz_get_version の値を表示するだけの単純なプログラムです。 実行すると、Namazu のバージョンが表示されます。
$ perl main.pl 2.0.18
非常に簡単な例ですが、SWIG を使って libnmz を Perl から利用する方法をしめしました。 他の関数も同様に呼び出すことが可能です。いろいろと工夫してみてください。 ここでは Perl を使いましたが Java 等の SWIG がサポートしている他の言語から利用することもできます。
[お断り]
- SWIG Version 1.3.36 を使用しました。
- perl v5.8.0 を使用しました。
- Namazu 2.0.18 を使用しました。
- libnmz は GPL ライセンスです。libnmz を動的であれ、静的であれリンクして使用するプログラムは GPL ライセンスと 矛盾しないライセンスである必要があります。
- SWIG を用いて作成した Sample モジュールは libnmz をリンクしますので、GPL ラインセンスとして公開します。
- Sample モジュールは GPL ライセンスですので、Sample モジュールを利用するプログラムは GPL ライセンスと矛盾しないライセンスでなければなりません。ご注意ください。
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_ ナマズのブログ - 2008年09月08日 20時25分45秒
今回は UNIX 環境(Linux)で Java から libnmz の nmz_get_version を呼び出すことを考えます。
モジュール名は前回
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