SWIG を使ってみよう! [第5回] ActivePerl 編(Windows版)2008年10月17日 01時56分59秒

SWIG を使って libnmz の様々なバインディングを作成してみましょう。 今回は Windows で nmz.dll を使うサンプルです。

UNIX 環境でも行った libnmz の nmz_get_version を呼び出す Perl バインディングを Windows 環境で動かしてみましょう。(ActivePerl)

nmz_get_version は、namazu/libnamazu.h に定義されています。

extern char *nmz_get_version();

この関数は libnmz の Namazu のバージョンを文字列で返す関数です。 (Namazu 2.0.13 以降利用可能です。libnmz のバージョンを返すわけではありません。)

今回はこれを Perl から呼び出す Perl バインディングを作成してみましょう。 (libnmz の Perl バインディングとしては Search-Namazu がありますが、現在の Search-Namazu は nmz_get_version に対応していません。)

モジュール名を決めます。ここでは Sample というモジュール名にします。 SWIG 用インターフェイスファイルを Sample.i という名前で作成します。

%module Sample
%{
#include "namazu/libnamazu.h"
%}
char *nmz_get_version();

swig コマンドを使ってラッパ用コードを生成します。

C:\> swig -perl5 Sample.i

実行すると Sample_wrap.c が生成されます。

次に Perl 用モジュールを作成するために Makefile.PL を用意します。

use ExtUtils::MakeMaker;
WriteMakefile(
    'NAME'   => 'Sample',
    'INC'    => '-IC:/namazu/include',
    'LIBS'   => '-LC:/namazu/lib -lnmz',
    'OBJECT' => 'Sample_wrap.obj'
);

Makefile.PL から Makefile を作成します。

C:\> perl Makefile.PL

コマンドラインでコンパイルを行うため vsvars32.bat を実行します。

C:\> "\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\VC\bin\vsvars32.bat"

nmake を実行します。

C:\> nmake

Sample モジュール(Perl バインディング)が作成されました。

インストールして使うこともできますが、ここではカレントディレクトリにコピーして使ってみましょう。

C:\> copy blib/arch/auto/Sample/Sample.dll .

Sample モジュールを呼び出す Perl プログラム main.pl を作成します。

#!/usr/bin/perl

use Sample;

print Sample::nmz_get_version() . "\n";

このプログラムは nmz_get_version の値を表示するだけの単純なプログラムです。 実行すると、Namazu のバージョンが表示されます。

C:\> perl main.pl
2.0.18

非常に簡単な例ですが、SWIG を使って libnmz(nmz.dll) を Perl から利用する方法をしめしました。他の関数も同様に呼び出すことが可能です。いろいろと工夫してみてください。ここでは Perl を使いましたが Java 等の SWIG がサポートしている他の言語から利用することもできます。

[お断り]

  • SWIG Version 1.3.36 を使用しました。
  • ActivePerl ビルド 800番台 を使用しました。
  • Namazu 2.0.18 を使用しました。(libnmz2.0.18.003-win32.zip に含まれる nmz.dll を使用)
  • Visual C++ 2005 SP1 を使用しました。
  • libnmz は GPL ライセンスです。libnmz を動的であれ、静的であれリンクして使用するプログラムは GPL ライセンスと矛盾しないライセンスである必要があります。
  • SWIG を用いて作成した Sample モジュールは nmz.dll をリンクしますので、GPL ラインセンスとして公開します。
  • Sample モジュールは GPL ライセンスですので、Sample モジュールを利用するプログラムは GPL ライセンスと矛盾しないライセンスでなければなりません。ご注意ください。